車窓
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ゆるむ視界の中で
先を恐れないまま進むのに慣れた
ほんとうのこと を追い求めるのをやめてから
もう幾年も過ごした

あーあ、生き延びてしまった


通り過ぎていく風景が
通り過ぎる瞬間の
全てが横に伸びてたくさんの線になる ストライプが続く
それを眺めてみたり
眺めるふりをしてみたり


知らない間に終わる人生の
その途中を目で追うのだけど
なんにもはっきり見えないまま
ただ
もう止まることができないことにだけ気づく


毎日は確実に消耗されて
ただし
消耗したはずの日々にわたしは触れてすらいない




自由詩 車窓 Copyright ________ 2009-03-27 01:29:19
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