なつかしいきもち
アンテ


まちをさまよいあるくうち
とてもなつかしいとおりにまよいこんだ
きおくをたよりに
おみせのひとつにはいってみると
なかはきょうれつになつかしくて
そわそわしながら
あいているせきのひとつにすわった
やってきたてんいんは
こえをうしなうほどなつかしくて
ひとこと ふたこと
ことばをかわすうち
はこばれてきたものは
なみだがでるくらいなつかしくて
かおりをたんのうしたり
ゆびでなでたりした
あのころはまいにちのようにかよっていたのに
なぜとおざかってしまったのだろう
どれだけかんがえても
おもいだせなくて
これからはじかんをみつけてたずねよう
そうきめて
てんないをみまわしてみても
さいしょほどきもちがうごかなかった
くびをひねりながらおみせをでて
とおりをみまわしてみても
それほどきもちがうごかなくて
いったりきたりしているうち
きがつくと
とおりからでてしまっていて
ふりかえってみても
いりぐちのありかすらわからなかった
どれだけかんがえても
おみせやとおりのなまえすらおもいだせなくて
おかしくって
くすくすわらいながらみまわすと
まちのふうけいは
どこかなつかしかった




自由詩 なつかしいきもち Copyright アンテ 2004-08-22 11:08:44
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