白昼夢
しべ

溶けた琥珀が持つ日差しの輪郭は
枯れるまで4年かかった

ひび割れ
すっかりプラスチックのような風合いで
昼の駐車場に薄い影をもたらす

車も看板も、大きなビルも
割とありふれていて
ガラスのよう

空気の直線を指の腹でなぞって
この下町に漂う意識を探せば
はりついた電線で辿り
鼓膜を透す白のほかに
目立ったものはない

突き当たりのコンビニ
派手なポップの数々
窓に映る向かい側のシェル

息のように
排気ガスのように
石灰の海に漂う時間、泳いでみたが

人がいないのに
少し驚いただけだった


自由詩 白昼夢 Copyright しべ 2009-03-11 23:23:04
notebook Home 戻る