修羅を読む(4)
Giton

賢さん とし子は逝ってしまったの?
あなたのなかの とし子探さん

    ☆

羅須の家 洩れるあなたの無伴奏
つっかえながら弾いてくれた夜

    ☆

モツトモツトミナガヨロコブフユノタメ
ハタラキタカツタ
雨ニモマケズ

    ☆

小屋に来たシルクハツトの賢さんは
俺をひろつて山猫軒へ

    ☆

草地すぎ
の脚並に 天仰ぎ
罵る影は異形の人か

    ☆

おまへと いばらのやぶを切り開き
椀コ★に日落ち
雁降りる夕
★椀コ:盛岡付近で椀を伏せた形のトロイデないしベロニーテ火山をいう。


    ☆

草に臥せば
遠くのそらでたむぼりん
ひでりぱちぱち
ぎらぎら雲湧く

    ☆

坊主森★ 七つのうちの三つ残り
四つ均されて 沃野に里に
★森:小高い山や丘をいう。伐採されて木がなくなっても森である。


    ☆

明け染まる雪の起伏
青ぞらに溶けのこる月
地に智恵は満つ



短歌 修羅を読む(4) Copyright Giton 2009-03-09 17:22:00
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