はるまち
たもつ

 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象がバスに乗れない詩を書いた
今度はちゃんと乗せてあげたい
僕はこれから大切な人に会いに行く
脚が不自由でもう一人では歩けないから
ほんの少しの間二人で歩こうと思ってる
僕は優しい人
そういうことにしておいてよ

もうすぐ列車が来るね
終点の町には海があるんだ
一番前に乗ろうね
誰よりも早く
海を見ようね





(関連:「同じ目」)
  http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=87982


自由詩 はるまち Copyright たもつ 2009-03-03 12:23:06
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