同じ目
たもつ


象の飼育係をやめて
バスの運転手になった
象の目は悲しげだ
と言うけれど
乗り降りする人たちも
体のどこか一部が悲しげだった
遠くに行きたかったのだろうか
数頭の象が停留所にいた
知らない顔ばかりだった
乗れないことがわかると
次のバスを待つかのように
みな同じ目をして
うずくまった


自由詩 同じ目 Copyright たもつ 2006-09-23 17:12:09
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