空に伸ばした手は水面を破り、
百瀬朝子
騒ぐ鼓動が駄目だと叫んでも
はぐれた心 繋ぎとめておきたくて
涙を流してすがりついた
醜いその姿をはずかしむより
失うことを怖れて
私は空に手を伸ばす
掴んだ手の内が空っぽでも
夜は静かに音も立てずに明けていく
欠けたものをそのまま取り戻すことはできないから
欠けたものを補う何かを求めるんだ
そして私は溺れてゆく
息継ぎも泳ぎもできないくせに
かえりみないでダイブする
空に伸ばした手は水面を破り
そして
私は溺れてゆく
自由詩
空に伸ばした手は水面を破り、
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百瀬朝子
2009-02-15 17:06:41
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