住宅街
木葉 揺

音が鳴る
冗談のように
私の首回りの
皮膚を引きながら

前に出す
つもりの両脚が
追い付かない
傾斜に

音に倒される
風と呼吸を合わせられず
ブルゾンに手を入れたまま
顔を打つ
直前に
皮膚をさらわれる
冗談のような音に

凍ることも許されぬ
住宅街
着衣の骨が
静かに アスファルトに


自由詩 住宅街 Copyright 木葉 揺 2009-02-13 23:54:36
notebook Home 戻る  過去 未来