目に見えない
何かに別れを告げて
大海原に浮かんだ
別の次元に飛ばされ
また戻って来たのだ

今は砂浜に顔をうずめたい
まだ少しも陸が見えないけれど

陸があっても
砂浜はないかも ....
隣のビルに向かって叫ぶ

レモン!

酸味を含んだ飛沫が
届くといいと思って

レモン!

屋上で
柵に手をかけて
 
レモン!

箱詰めにしたレモンを
宅急便で送ってお ....
たんぽぽの綿毛とんでゆく
私がふーっと吹いたから
可愛い茎を
一番上の引き出しに入れて
鍵をかけるんだ

それでも
引越しのときに
机は置いてきた
砂だらけの空き家に

春はきら ....
手紙を出しました
開くと記憶をなくすという

日々の行いをこなしてると
白くなる
ああ、今よんでるんだな

洗濯物をたたみ終えたとき
私が誰かわからなくなった
静かに笑って横になる
手紙を出しました
開くと記憶をなくすという

日々の行いをこなしてると
白くなる
ああ、今よんでるんだな

洗濯物をたたみ終えたとき
私が誰かわからなくなった
静かに笑って横になる
火の輪をくぐる
火のついた体で
しなやかに下りる
しなやかに滅びる
ことは許されず
焼かれる

チーターは想像している
子供を守りながら
密猟の足音を聞きながら

内臓が燃える
 ....
信じていたことは
鉄のかたまりで
不要になっても
手放せない

高熱で溶かしてみる
自分がダメになりそうになる
だから途中でやめる

ただ眩しかったことは覚えている
少しだけ変形し ....
今日限りのビタミン
祈るように弾かせる
くり抜いた芯は自由で
果肉は砕かれてしまった

水溶性
だと知っている
だから繰り返すのか
いつもは閉じられている
一直線の情報の
蛇口をひねったのは
自分だったのか
センサーだったのか
間違えて、反応されてしまった

いずれにしても、ブライアン
許可もとらずに経歴を話した
 ....
そんなところにいたのかブレーキ
うなだれてないで体起こして
頼りにしてるのに
そんなあなたを見ると
私も自信がなくなるよ

今はどうとでもなる
未来さえも決められる
だから不安で仕方が ....
今からあなたを失います
喪失感に悶える予定です
幸せになる順序です

そういえば
さっきからずっと
同じことばかり呟いてます
訪れは始まり
うまくいく段取り
責めず憎まず
調子よく

いつかは早い方がいい

悲しまず振り返らず
紡げばいい

解決の訪れ

自分が自分であるほどに
前へ進むから
白い ....
街の灯は味方ですか
ショーウィンドウは砕けますか

たぶん
砕ける音が綺麗で
私は足を止め
喜んでガラスを集めるでしょう

銀座の空について考えていると
有楽町でした
思いがけず出 ....
ワードを開いたがカーソルがない
右クリック、右クリック
真っ白なのでマウスを叩きつける
「使わせろや」

ノートを引っ張り出す
ボールペンを滑らせても
色が出ない、
こすってみても
 ....
退廃的に胸は動いて
物語に首を絞められる

どこにもない物語の
粘膜が私をのんで
溶かそうとするから

       (まだ見たいものがあるのか)

つまらない人間として咲いている
 ....
あなたの望むようでありたい

でも
あなたの望んでることが
わからない

そんな探り合い
望んでないのに
アスファルトは不意に
思いつめたように体を丸めた

巻かれてゆく坂道
自ら傾斜に耐えられず

すまなかったね、と仕事を終える
かつて裏切った砂利道が
傍から後ろから現れ
雑草を添えて ....
大草原に寝転んで空を見ていた

頭の後ろで組んだ手のうち
右手をそっと外し
空へと伸ばすと
一枚のトランプが掌に現れた

      飛ばしてみる  
一度にぎって
    
   ....
弦が弾かれて
その指先を求める
懸命身をやつして
華は昇りたいのか

姉と呼ばれる人たちの風船が
大気圏の向こうに焦がれる頃

妹と呼ばれる人たちの噴水が
地殻の感触を求める

 ....
旅に出て
ようやく畑にたどり着いた
遠くを見て佇む案山子ひとり
腕はだらりと垂れている
そばへ歩いてゆくと
帽子を取って
お辞儀をしてくれた

私もお辞儀をする
顔を上げると案山子は ....
ちょうどいい
をさがしてて
ちょうどいい
をこえました

もどるのか
ちょうどいい
もうにどと
ちょうどいい

さがしすぎるから
ちょうどいい
すりぬける

うごかない
 ....
みんな揺れている
階段もエレベーターもデパートも
小さい頃に見た
家族が水没する夢と同じ速さで
 〜      〜
私は世界が発展することなど
望んでいないのです
間に合うだけ
間に合 ....
店を出ようと思ったのに
もう一杯
コーヒーを注文してしまった

お財布の中を確認する
ギリギリ足りるみたいだ

あわてて戻ってきた店員が
「おかわりができます」
と言って、伝票を書き ....
音が鳴る
冗談のように
私の首回りの
皮膚を引きながら

前に出す
つもりの両脚が
追い付かない
傾斜に

音に倒される
風と呼吸を合わせられず
ブルゾンに手を入れたまま
顔 ....
感情が
目の前にある気がして
引っ掻いてみた

感情が泣く
痛い、と涙ながして

すまなかった
と顔で言ったけど

しばらくそうしてな
と心で言った
まるまるさんが培養されるとき
相談ごとの中心部はどこにしよう
体がステンレスの上でスライドされても
限界はそれほど悪くない

流し込まれるか取り出されるか
状態を知らないから祈る
祈るう ....
冷たい風が横切るとき
あなたの肩を叩く
紅茶を飲む私の呟きをのせて

振り向くあなたは
気配の無さを受け入れて
再び歩く

完全防備したあなたの
帰り道の出来事
テイクアウトのカレー下げて
どうともない道を急ぐ

藍色の空
昔話のような雲から
偽者のような二つ星

道を変えても
じっと見てくる
カレーがこぼれる

冬なんだな

不意に ....
胸を小分けにして笑う
そのうち一つに
また今度を添えて
空に指をならす

ひそひそ声が聞こえても
隕石を夢見ても
昇らない場所を守る
私の

手の中で回る軌道
見つめて
後ろ髪 ....
止まろうとは思っているんですけど
転がってしょうがないんです

全てを蹴散らす感覚と
響き渡る快音
生きている
と思える瞬間です

そして自分が闇に飲まれ
再生されるべく送られる時間 ....
木葉 揺(202)
タイトル カテゴリ Point 日付
波の揺れるままに自由詩210/6/22 23:43
雑事のレモン自由詩810/5/22 0:23
たんぽぽの季節自由詩710/4/22 17:15
きおく自由詩209/11/28 1:02
自由詩109/11/14 0:29
チーター自由詩309/10/30 19:39
かたまり自由詩4*09/9/21 23:50
ふそくする日に自由詩1*09/9/18 19:43
密かなる、ブライアン自由詩3*09/8/16 1:48
ニュートラル自由詩1*09/7/31 20:56
脱酔自由詩3*09/7/10 19:05
白い明日自由詩1*09/7/4 13:19
街の灯自由詩3*09/6/11 22:51
するしかく、されるしかく自由詩3*09/6/5 23:41
目を閉じる自由詩2*09/5/23 20:37
♯♯♯自由詩1*09/5/20 20:44
退陣式自由詩3*09/5/5 20:23
大草原でトランプを自由詩4*09/5/1 1:23
自由詩2*09/4/24 16:57
スケアクロウ自由詩5*09/4/10 20:00
ちょうどいい?自由詩3*09/4/4 21:21
揺れ自由詩2*09/3/28 22:02
葛藤自由詩5*09/3/6 22:41
住宅街自由詩3*09/2/13 23:54
感情自由詩3*09/1/22 17:54
二番目の世界で自由詩2*08/12/29 21:54
温度差自由詩6*08/12/19 22:00
見つかった自由詩2*08/12/7 22:14
軌道自由詩9*08/11/23 23:57
何度でも自由詩2*08/11/14 23:21

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