ガーデン(生花の祈り)
水島芳野

追憶の果て。

こんなにも狂しい夢を見ている。
君が歌った清らかな唄のなかにだけ
やすらぎを見いだす。

「サヨナラをききたくないなら
どうして涙ばかり見せるの」


「わかってるよ」


僕が、君を欺いたんだ。


(機械じかけのこの声は
(潰えることすら許されず
(造花の棘は胸を刺す


世界がくだらないのは僕がくだらないからで、
君がいつだって美しいのはそのあかしだった



    サヨナラをききたくないから

    (けれど消えてしまいたいから)


今度は思い切り僕の首を絞めて。



自由詩 ガーデン(生花の祈り) Copyright 水島芳野 2009-02-13 20:23:46
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