ブリーチとかジエンドオブ・・・とか
飯沼ふるい

太陽が楕円形に回転するカッターの
切れ味になった日、棒アイスに舌を
カミソリのように当てオアシスを快
感する少年と煮えきったアスファル
トでぐらぐらに煮えきった仔猫の死
骸が蜃気楼の波間に飲み込まれて凝
縮したその数億年ものの夏が僕の額
の上でロンドするから脳味噌の襞に
絡まったパラレルワールドの虹を乗
せ明日の破綻へ放物線を描いて飛ぶ
ロケットが引火する最後に青色4号
が打ち上げられて世界の色素がもぬ
けの殻になる時無下に漂白されたワ
イシャツを着る僕の自己愛故の皮肉
を笑う者がいるだろうか「都市開発」
の名のもとに個性をぶち抜かれ月極
駐車場が葦や藪のように繁茂するジ
ャパニイズモダンダンスホールの中
に、だ

個性は確立された平均を勝ち得てか
らしか認められない空を青いと言っ
た人がその無限の広がりに散りばめ
られた無名の色々を淘汰してきたそ
れでも入道雲は病魔のように噴煙す
るのをやめず歴史の道程は真夏日の
システムを鎮火させられずもがいて
いるから今必要なのは太陽ではなく
北風の暴力なのかもしれない僕の空
層を流れ落ちるサウダージにペット
ボトルに詰め込んだ水をぶっかけて
過去から反射する光のように腐臭の
漂うノスタルジアから僕は目覚める
が眼前で蠢くのは漂白された時代と
化石とメールと糞まみれの鳩だった
握手する掌が携帯の中の異電子上で
人を惨殺すれば高速旅客鉄道の警笛
が響いてグローバルが嘔吐する僕ら
親指の殺人者は革靴の乾いた足音が
象徴する冷めきった僕らの人生や墓
標を鼻で笑う(笑)失われることを忘
れて蔓延する数多の液晶パネルから
現在を伝えられたところで漂白され
た僕にはどこぞのバラエティー番組
と区別もつかないくらい『(笑)』だ


アスファルトと癒着した猫の内蔵を
踏んだ糞まみれの鳩が飛び立つ僕の
ことも青色を包むその透明な熱源ま
で連れてってくれないか

僕たちの見えない明日!!


自由詩 ブリーチとかジエンドオブ・・・とか Copyright 飯沼ふるい 2009-02-12 22:57:34
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