宣隆

いつもの背景
崩れる関係
いつかの嘘が
息を潜める

巻き戻しした
フィルムの中まで
過去のふたりは
他人の顔

シナリオ通りに
期待はないさ
だけど台詞が
空白ばかりだ

空の切れ目で
虹の化石を
掘り起こすような
話にしようか

沈黙の行間を
くぐり抜けても
迷宮入りを
決め込む結末

今の居場所は
捜索不能で
疑問自答を
積み上げた君


自由詩Copyright 宣隆 2009-02-09 10:59:48
notebook Home 戻る  過去 未来