ぶち壊せ
知恵

自分を守るため。


そう言い聞かせて、自分の周りに壁を作っていた。


出来るだけ高く、高く、俗世間の風景が目に入らないように。


だけど、私を守っていたはずの壁は、私からあらゆる感情を奪い去った。


私の周りは殺風景だから、生まれてくるはずの感情が、無意識のうちになくなっていたのだ。


殺風景なその場所は、安全だけれど、寂しかった。


誰一人訪れない場所。



「自分を変えたい。色んな感情を感じたい。」


私はそう願うようになっていた。


そして、壁を壊す決意をしたのだ。


決意をしてからは早かった。

ベルリンの壁が壊れたように、私の壁も崩れ落ちた。


そして、崩れていく壁の向こうから、光が差した。


「希望」という名の光。

「未来」という名の光。

私はそれらの光と共に、今、ここから一歩を踏み出そう


自由詩 ぶち壊せ Copyright 知恵 2009-02-04 17:16:10
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