沈黙
sekka

寒い冬の日
凍った池の前で
あなたと二人
過ごしていた

言葉もなく
音もなく
赤色や黄色や茶色の
葉に敷き詰められた水面を
私たちは見続けていた

陽の光が緩やかに傾きかけた頃
美しい彩りをそのままに
閉じ込めた水面の下
いくつもの魚が蠢いていたのを
私たちはお互いに気づかないでいた






自由詩 沈黙 Copyright sekka 2009-01-18 23:26:59
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