おおきなきもち
アンテ


とてもおおきなきもちをひろったので
めいっぱいふくらませて
そらにはなった
おおきなきもちはかぜにのって
たかくたかくまいあがりながら
ますますふくらんで
まちをすっぽりおおったかとおもうと
とつぜん
ぱちん とわれた
するとどしゃぶりのあめのように
どろっぷがふってきて
まちじゅうをうめつくした
ためしにひとつほおばってみると
とてもあまくておいしかった
みんなそとへでてきて
おおさわぎしながら
どろっぷをひろいあつめた
わたしもいっしょになってあつめるうち
とてもちいさなきもちをみつけた
そっとふくらませただけで
ちいさなきもちはぱちんとわれて
なかから
はぶらしがでてきた
たいせつにぽけっとにしまって
いえにかえるみちすがら
あちこちから
ぱちん ぱちん
とおとがきこえた



自由詩 おおきなきもち Copyright アンテ 2004-08-11 02:07:21
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