わたし、苦しい
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右側の肺を押しつぶして
ゆっくりと苦しくなった
古典的なモーラスが夕暮れを真似たので
気をつけようと思っていたのに
気づいたらもう信じてしまった
わたしの上にもついに夜が来た

叱って欲しいような気持ち押し殺して
開き直って退屈に生きていくのだろうか
やわらかいものやあたたかいものばかり
お金で買えるようになって
ほんの少し、冬 というだけで
泣き出すほどに弱くなって

まっすぐに立っていられないから斜めのまま
建物や手すりや恋人の肩を頼り
それらを失ったときにはしゃがみこんで
面倒だからという理由で駄々をこねないのに
低空を行きかう醜い不平には飛び乗って

そうして終わりを待ちわびるのだろうか





左側の肺も押しつぶして
目を閉じた
苦しくなって
わたし、苦しい、苦しいと確認する

知っている
気づいている
わたし、
苦しい
苦しい






自由詩 わたし、苦しい Copyright ________ 2008-12-11 01:05:12
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