背後の声 
服部 剛

上司の言葉に傷ついた先輩が 
辞表を出そうとしていたことを 
打ち明けられて 

床に広げた模造紙に 
クリスマスツリーの絵を描きながら僕が 
見上げた先輩の背後にぼんやり浮かぶ
十字架にかけられた人が 
「世界の誰もがあなたを理解しなくても
 私だけはあなたの気持を知っている・・・
 今迄本当によくがんばってきたことを・・・」 

沈黙の声を聴いた僕も 
「先輩がいてくれるのも、
 何か意味があるからかもしれません」 

先輩の目が少し潤んで
十字架にかけられた人の 
姿が消えた 





自由詩 背後の声  Copyright 服部 剛 2008-12-04 00:45:52
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