青空に囲まれた渡り廊下の牢獄で
ススメ

最上階をつなぐ
青空に囲まれた渡り廊下の牢獄で
海は光の園として佇んでいた
飛び降りた花壇は足の骨を突き刺し
逃げ出した屋上では太陽に押しつぶされた
校庭にはもう誰も見えなくて
校門をでてもまだ心が粘ついた
そしていつのまにか
僕は牢獄に帰ってくる
君が隣で話した歌言を
混じり気の無いほほえみを
信じて忘れようとしなかったから
自販機に装填された紅茶のように
熱く時にはひんやりと
僕に手と頬を思い出させてくれた
息を吹き込むたびに
旨くはなれなかった吹奏楽
牢獄は塗り替えられ
錆は指紋と共に消えていった
けれども
白い牢獄は牢獄のままで
海は遠い光の園のままだった


自由詩 青空に囲まれた渡り廊下の牢獄で Copyright ススメ 2008-10-30 23:10:38
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