せいいっぱい のびる
吉原 麻

からっ と あけた空 をみあげて
せんたくきから取り出した バスタオル をひろげると
ふわっ と 水 のかおりが 舞う

少し広いベランダは ひとり では もてあましてしまう
ので せんたくもので いっぱい にするんだ

窮屈にしたベランダで君の文庫本を 読もう とするけれど
ちっとも あたま に入ってこない

こころ が いっぱい になるんだ

夕方の むらさき と オレンジ の混ざった雲がみえると
すこし ほっ とする

君の シャツ をゆっくり とりこみながら
いい いちにち だったのかな なんて思う

あしたもきっと
空は からっ としてるんだ


自由詩 せいいっぱい のびる Copyright 吉原 麻 2008-07-21 22:26:22
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