ぽえかふぇにて 
服部 剛

「武甲書店」に立ち寄った旅人と 
キャベツの皮を剥くマスターが交わす 
カウンター越しのささやかな会話 


「 たった一言で、世界は 
  天国にも地獄にもなるよ 」 


「 ある日職場でキラワレ者の 
  お局M子のわめき声に 
  ふっと立ち止まって 
  そっと耳を傾けたら 
  M子のこころに宿る 
  御堂の扉がゆっくり開いて 
  一本の蝋燭に揺れる炎に 
  ほとけの笑う目・鼻が浮かんでね 」 


「 お局さんと君の間にあらわれる 
  ひだまり 
  が互いの顔を照らしたんだね  」 


・・・そんな言葉を交しつつ 
マスターは職人の面影で 
今夜のお好み焼き晩餐会に備え 

キャベツを とんとん 刻んでいます 








自由詩 ぽえかふぇにて  Copyright 服部 剛 2008-06-29 19:40:38
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