もぐら
佳代子


日差しが嫌いなわけじゃない
空の青さも胸が痛むほど好きだ
解放された風が窓枠蹴飛ばして入ってくると
愛おしくって笑ってしまう
私には嫌いなものなんてない
ポジティブな思考にリアルは寛大だから
いいじゃない それはそれで

死にたい人は生きたいの
縦割りのお腹 腸の下は
華麗なる劇場で
ぎらぎらの眼球が踊っているのよ きっと
かっこわるさの裏っ側は案外かっこいい
ぎらぎらの生きざま
へろへろの生きざま
ぼろぼろの生きざま
眩しくって息切れそうで
わけもわからず焦ってしまうけど
いいじゃない それはそれで

たまにもぐらになってみる
人はそれを「鬱」という
長居する訳じゃないのだから・・・
空気穴から見る地上は
クリアーだって誰も知らない


自由詩 もぐら Copyright 佳代子 2004-07-15 00:51:22
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