いまも何処かで
吉岡ペペロ

抱きしめてやると

思ったよりも簡単に

くずれるときの声を出した

髪の毛から

あまい胡瓜の香りがする

たがいの爪で

たがいの肉にわだちを描いた


俺は十八だった

きみは二十六だった

いまも何処かで

その日が繰り返されている

そんな気がして


抱きしめてやると

思ったよりも簡単に

くずれるときの声を出した

髪の毛から

あまい胡瓜の香りがする

たまに目を合わせては

またべつのほうを見つめていた


自由詩 いまも何処かで Copyright 吉岡ペペロ 2008-06-16 18:09:56
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