晴れ時々、愛め
木屋 亞万

傘までも逃げ散る月曜に
体温を奪われた透明傘
水玉越しの水溜まり
電線は交差しない方が良い

映り込む景色を真っ直ぐ走る
線、雨上がりの青い天井
別世界へ潜りたくて
足を踏み入れて拒まれた

傘は天に髪を逆立てて
綿毛のように飛んでいく
自転車が弾いている水は
楽しげで嬉しげで、凜

感性の膜を薄くして
祭の後を吸着していく
低体温が庭を覗く、風、歩きながら


自由詩 晴れ時々、愛め Copyright 木屋 亞万 2008-06-04 01:16:38
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象徴は雨