ラグ
木屋 亞万

丑年の豚を目の前に
涎れを抑えきれぬぬぬ
関取並の腹の虫
残った残らぬ晩の飯

あら足元に青い鳥
モモ肉頬張りたい涎れい
骨パリパリス青い筋
焼鳥黒いなやyiゆyeよ
骨だけ白いな青い筋

食欲は旺盛に罪
「あらま生きてたの」
ゲッ賦ぷふう肉喰いの目
悪意に沈む二つの隙間

幸せ喰らうの悪い事
ワインレッドの右肺は
意外に白いよ桂花陳酒
球漂う肺胞は海の水母
ソーダで割って雲の種
浮かぶタピオカ噛み砕け

デザート食べる砂漠では
唇火照って赤の芽吹く
ホテルの鍵は揺れないで
目は泳がず海は干上がる
杖の必要はなく壷は頭に

猫は踊る暖炉でペチカ
拍手にハクシュン
鼻水たらら溢れ出す
薫り香らずハナミズキ

未年の鶏は棺を開いて
赤く芽吹いた冠入れた
涙を堪えきれぬぬぬ
貪欲な豚が魂の友なりと
青筋を浮かべながら泣く
二連目で死んだ鶏が、だ

(ハナミズキは枯れ
猫は厳冬の夜に消えた
ホテルの鍵は開いたまま
重なり合わぬ時間)


自由詩 ラグ Copyright 木屋 亞万 2008-05-27 20:17:11
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