見つめなおすひと
恋月 ぴの
自分で考えてみても些細過ぎる悩み事を
頷きながら聞いてくれる
復縁できたらとか下心あるのかな
彼だった頃は喧嘩ばかりしていたのに
なんだか不思議だよね
今では心を開いて相談できる
同志とか戦友とかそんな存在に思えてしまう
これって身勝手すぎるよね
心苦しさとかもあったりするけど
あれは親友と信じていた子に裏切られた時のこと
誰にも相談できなくて
どこか遠くへ行きたくなって
夜更けのベンチで行く当てもなく星の瞬きを眺めていた
心配かけたくないから
今思えば心の弱さを曝け出すことへの躊躇いから
そんな言い訳していたのかも
何かあったら連絡しなよ
優しすぎる笑顔に心揺さぶられ
「やり直してみようか」
喉から出かかったその言葉をぐっと飲み込んだ
改札口に消えるあなたへ手を振りながら
ひととひとの関わりの難しさと
心の有り様に思いを巡らせ
あのベンチにでも行ってみようかな
誰もいない雨上がりの公園
わたしの帰りを待っていてくれたのか
街灯の明りに浮ぶベンチはあの時と変わらぬままで
過去と未来の真ん中にわたし自身を賭けてみる