月を飼う
はな 

こっそりと
ゆびわをかじると きいん とする
ぽっかりと
ちいさなあなのあいた夜

空の一部を
せろはんてーぷのぎざぎざで
ひかりのかたちに
切り抜く


わたしのへやで
ちかちか ゆれて
ねむっている
ふとんが
うちがわからひかってる


ないしょだよ
君にだけ
言うけど
明日には
放してしまうから


君はうなずいて
きっと
ぜったいに忘れないから
おもちゃのような
夜の街でも
あのひかりに 負けないように
小指を
いつまでもにぎってくれる


こぼれそうな 日々に


今でもたまに、ふれる時
君の汗ばんだ手が
まぶしいひかりに
重なる


君は
あたたかな手のまま
ぜんぶ忘れた というかおをしている
ふとやわらかいひかりをこぼしては
あの空の
一部みたいに





自由詩 月を飼う Copyright はな  2008-04-15 02:24:16
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