詩と旅人


書けないなあと
悩んでしまって
何も書けなくなるよりも
君が何かを書くことが
素晴らしい
君に何か書くことが
あるということが
素晴らしい

僕も時々
誰かに指を指され
笑われたり
咎められたり
時々すっかり自信を無くしてしまって
何も書きたくないと落ち込んだり
何か書くことが怖くなったり
するけれども
それでもこうして
何かを書くということが
やっぱり
素晴らしいのではないかと
思うのだよ

僕は愛した人には
受け入れられなかったけれど
だから僕の言葉は
いつまでも宙を
彷徨っていたけれども
それでも
何かを書くということは
きっと素晴らしいことなのだと
思うのだよ


君よ 君よ
全てを無くしてしまったかもしれないと
うつむき悲しんでいる君よ
きっと
そんな風に流した涙や
瞳の中に映った風景などが
いつか君を
見届けに来るだろう
その瞳の中に生える植物たちを
大空を泳ぐ風たちを
つかまえて


君よ 君よ
うつむき悲しんでいる暇はないよ
それでも時々
風景は僕らを呼び覚ます
何気ない昼下がりのひとときでさえ
その空の青さに心打たれたりする
照りつける太陽の無言の熱と
僕らは戦ったりする
自分の影に言葉を落としたりする


そうだね
忘れてはしないかと
時々 問いかけるんだ
僕は時々言葉のつくりかたを
見失いそうになるよ
いつも誰かが見ていて
時折 風のように何かが
降ってくる
そんな時間ばかりでは
ないのが
僕の生きてゆく道の上に降る
ひとつひとつの
雨なんだ



ぼくらの住んでいる場所は
わずかな部分でしかないよ
だから 知っていることもわずかだってこと
空から見たらわかるさ


だけど 時々 ねえ
悲しみに満ちた瞳は
地も空も水でいっぱいにする

そんな時には 
僕も言葉を吐くよ


君よ 君よ
何か書くことは
やっぱり素晴らしいよ


だから僕は
歩きながら
生きてく道の上で
繰り返すんだ















自由詩 詩と旅人 Copyright  2008-04-03 21:43:10
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