夜
亜樹
夜
泣きたくなるのは
哀しいからでは
ありません
部屋に
サカナがいるからです
窒息すまいと
パクパクと口を開け
泳ぐサカナが
いるからです
水を求める
青いサカナが
水を盗んで
ゆくのです
朝
サカナはおりません
わずかなナミダを
吸い込んで
朝日ととともに
消えました
ナミダとともに
消えました
自由詩
夜
Copyright
亜樹
2008-03-30 22:34:50