春の小曲
まどろむ海月





咲く花の魂を抱きしめても
萌ゆる幸せは月光のように
透きとおってしまう



玻璃の盃に浮かべた幻想は
思い出のように甘くただようが
あなたの生命のときめきは
この唇にもどっては来ない



 小川のきらめきに
 流したはずなのに


 蝶のように訪れる悲しみよ
 わたしはまだ
 生きているのです




あなたの好きな季節が
囁かれた気がするが
太陽の孤独は
まだ風の便りには
届いていません





雲よ
いま私の眼が
魅せられて
いるのは
風に揺れる
一輪の花
です



















自由詩 春の小曲 Copyright まどろむ海月 2008-03-28 20:32:38
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