ここ
こむ

ここが ここだ

はるかな天上は無く 奈落の底もない

ここで 生きているのだ

ここで 死んで

ここで 他の何かの 一部になるのだ

身体も 心も

ここで くるくると回る 時間の水車に 汲み上げられて

ただ 他の水流に 運ばれるだけだ

ここにたゆたう 無限大の 物質世界の中を

この流れから あの流れへと

漂っていくのだ

だから

私と綾子は ここにいて

ただ ちがう水流を 漂っているだけなのだ

ひとつの 無限大の 物質世界の中で

私と綾子は

永遠の時間の中を 漂っているのだ

だから ここが全てだ

無限大と 永遠の中で

私と綾子は 一緒に 漂っているのだ


自由詩 ここ Copyright こむ 2004-07-03 01:51:00
notebook Home 戻る