ノート(夏囚)
木立 悟



格子の影が降りてきて
まわりつづけるものたちは
みな止まっているかのように見える



ひたひたと
姿のないものの足音が
午後の後を尾けている



空と地の端
雲の背の瞬
囚われの青から
泳ぎ去る陽炎



薄く 濃く
高圧線に沿う雲の指
細く 長く
影は陽の道に汗ばんでゆく





自由詩 ノート(夏囚) Copyright 木立 悟 2004-07-01 19:36:49
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