追想
桐野晴

大切なものができた

とても儚いもので
壊れやすかった


失ってしまった

いっぱい呼んだのに
届かなかった


あの頃は若かったなどと
モノクロになった
フリをする

強く、
弱く、
守っていた


壊れやすいものだから



薔薇の花弁が散ったように

儚く

はっきりとした

消えない




あぁ 強い
未だ 艶やかなんだから


自由詩 追想 Copyright 桐野晴 2008-03-10 11:58:58
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