惰眠の春
けんご

車のフロントガラスも汚れています
黄砂の舞う季節ですから
灰色に立ち込めた巨きな空から
はらはらと小雨が落ちてきます
私のふるふる震える魂は
大地のあちらこちらを徘徊しています

恋人
ああ あなたも遠くの人になりましたね
間違って私に届いたメールを
どうしたことかと思案を重ね
結局私は何もしませんでした

私から全ての友が取り去られても
主よ 私の傍らに立って
私を支えてください
生きれるところまで私は行ってみましょう

私はまた眠ります
それがまるで私の仕事かのように
惰眠を貪って
ただ歳を重ねていくのでしょうか
それでも
それが一つの道なのです
私のような者もこの世には居るのです

目を閉じて
また儚い夢でもみるとしましょう


跳べ 春の虫よ
冷たい風に吹かれて
狂おしくも豊潤な春を求めて



自由詩 惰眠の春 Copyright けんご 2008-03-04 18:50:41
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