街路
水町綜助

 くちぐちにわめき散らした街頭
 濁音をことさらに強く

 街なかを わき腹よりみぎ胸に向けて
 ハープ 鉄橋のひび割れの
 痛みらしき
 路線が走っている
 いかずちや のたうつ小蛇ほどに
 うねって
 もはや境界をつなぐうちに
 きっとわたし死んでしまう

 人身事故列車
 とがる金属の音
 なまあたたかい真鍮
 なまあたたかく変色する真鍮
 と血液に日々
 融点がないなら
 わたしはひろがり
 自然に死んでゆき
 また、そんな嘘をもついている



自由詩 街路 Copyright 水町綜助 2008-02-20 09:00:52
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