欠伸
水町綜助

 ヒビの
 まつりの
 ちょうちんの
 蛇腹の影を指先で
 破って遠く青色に
 逆回転した明るみの
 正午、
 南中した太陽に
 気を失うほど目線の重なる
 白い顔
 白い顔
 白い顔臨む極彩色
 森林とぶ鳥 風切り音 木立をぬい

 花の開くはやさで
 秒針は回る
 螺子を緩める方向に

 分針は回る
 蒸発する速度で
 螺子をとめるために

 畢竟静止する私
 山なみと
 反射する
 町の運河のよどみ
 白いコンクリート
 輻射熱にゆれ
 くだけ塗りこめられた青のした
 目をこすり
 たっている私と
 あくび




自由詩 欠伸 Copyright 水町綜助 2008-02-12 14:55:21
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