樹木の日々
千波 一也



いつからか
従えずにはいられないような
ある種の隷属のなかで
炎をおぼえた


つめたい石を蹴飛ばしながら
無言の
雨に

含まれ、ながらえ、



水たちの森は
鏡をとおり吸いあげられて
知らないことばが
よみがえる


いくつもこぼれた過ちを
ついばむ小鳥の
一羽となって

灯り、
ほのかに

まがいもの、かも知れない
朝がくる



根を張る禁忌に
背かれ続けているような
樹木の日々を
束ねては

畏怖のかたちに冴えていた



燃されず火を散る
葉脈として







自由詩 樹木の日々 Copyright 千波 一也 2008-02-04 22:49:21
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