安堵
海月

誰かの助け声を無視するようになったのはいつだろう
その理由を自分自身に問い質しても出てくる答えは
自分のことで精一杯だから仕方ない

高い砂の城の頂に向かう人々
上に行く程に壊れやすくて
その途中で足を止める

自分の前を行く人の背中を目標にして
足元が滑れば次は俺がその場所を確保できる
願うは「他人の失敗」歪んだ考え

お子様ランチの国旗を集めて喜ぶ子供みたいに
小さな至福の術を見つけられたらいいのに
何が悲しくて花を毟るのだろう

落書きも一つ描けない日常
狭い場所に不釣合いな仕事

朝焼けよりも速く
夕焼けよりも遅く

日付を何回超えればいいのだろう
今日という日が昨日に変わる
明日という日が今日に変わる

差し伸べられた手を優しく引き寄せる



自由詩 安堵 Copyright 海月 2007-12-24 23:41:29
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