暗闇れもん

黒いいばらの棘が締め付けるたびに
長い睫毛が綺麗な夜空を覆い
しずくがきらめいた

その場所は苦痛を伴うのでしょうか
誰もが眠りにつき
訪れるもののいないいばらの国

陶器のような白い肌を
血のように赤い唇を
傷ついた指でなぞる

侵入者をいつまでも朽ち果てない剣で刺し
また身分違いの彼女に触れる
抱き寄せるように

黒いいばらの彼に抱かれ
苦痛ではないの、と
風の声がする


自由詩Copyright 暗闇れもん 2007-12-22 21:01:05
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街の魔女より