「ねぇねぇ、サンタさん。」 第二部

ルドルフや 具合はどうだい?
  サンタさん 私はもう長くはないでしょう
バカなことを!
  いいえ これは天命なのです
ルドルフや お前がうちに来た頃は 
まだほんの赤ん坊だったじゃないか!
いつの間に わしより年寄りになってしまったんだい?
  サンタさん 私は 
  あなたの数倍のスピードで年をとってゆくのです
  泣かないで
  人間とトナカイは元々生きる世界が違うのですから
  それでも 同じ時間を一緒に過ごせて本当によかった
  あなたと出会えて私は幸せでしたよ
ルドルフや 私はサンタクロースだよ 
クリスマス・イブの夜になれば 世界中を飛べる 
世界中のありとあらゆる薬を かき集めてくることだって
  おやめなさいサンタさん……
  私の年老いた体ではもうどうすることもできません
  確かに 時間は 現実は 
  残酷なものです
  けれども それらは同時に
  私達を幸せにするものではないですか?





クリスマスが近づいてくると
サンタさんはおおいそがし!



「ねぇねぇサンタさん、サンタさん、サンタ……さん……」



サンタさんは
一人 空を見上げていました
やがて雪が舞い降り
周りを 白く埋めてゆきました


そして クリスマス・イブの夜がやってくるのです





(つづく)



自由詩 「ねぇねぇ、サンタさん。」 第二部 Copyright  2007-12-20 21:29:12
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