丸まっているジェニーに
beebee




ここに丸まっているのはうちのジェニーです。
15才を過ぎて老犬になりました。
若い頃、肋骨の形が悪くて手術した時
勧められて避妊手術をしました。
だから子どももいない独身です。
おちゃめな雌犬です。
鳴かないので猫犬かもしれません。
若い頃はソファーに寝そべるぼくのお腹のところに、
一緒に横になって寝てくれました。
最近は抱き上げると唸り声を上げて逃げます。
でも、毎朝、毎晩、ぼくの送り迎えをしてくれます。
おしっこをすると、自慢をしにやってきます。
おやつをねだるためです。
躾けのための訓練です。
待てとお手とお代わりとチンチンでもらいます。
一日の大半をべったり寝てすごしています。
前足をそろえた上に顎をのせて
たまに少し横向いたりすると人間のように見えます。
急に年老いた麗人のようになってぼくに頷いてみせます。
何か聞いてごらん、私はなんでも知っている、
私はなんでもあなたのことを見てきたのよって顔します。
でも老犬になって目やにが付きやすくなりました。
うっすらと片眼が白くなりました。
じっと玄関にうずくまっていることが多くなりました。
毛がぱさぱさになりました。
たまにお漏らしするようになりました。
なりました、は悲しいよね。
ずっと、そのままでいられれば良いのにと思います。
初めは子どもかと思いました。
今は移り気な恋人のように見えます。
ぼくの記憶もなくなってしまうのでしょうか。
見ていると切なくなるような気がします。

ジェニーはシーズー犬の雌で15歳です。
一応血統書あります。
このマンションに移る時一緒にきました。
ぼくの相棒です。
 

**『 掴まり立ちするジェニーに 』が続編です。
  http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=153534



自由詩 丸まっているジェニーに Copyright beebee 2007-11-22 22:22:58
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