falling light fall
黒山羊

寂しさに蝕まれる部屋
秋の日差しを隔離した網戸
閉ざしているのは自分の手で
核心に届かぬ温もりなど要らぬと嘯く

肌が冷える 孤独が蝕む
胸中を洗わぬ言葉など要らぬと嘯く
柔らかい膜が透けて刃が浮かび
纏った嘘に突き刺さる

友よ、先に進むしか無いのだ
剥がれていく虚ろな言葉に
外皮に叩きつけられる型枠に
怯え惑っている場合ではない

友よ、崖の上には星が見える
友よ、手が届きそうなんだ

真実はもっと繊細で
盲目的な手が高みへと登り続ける
眩しくて背を向けた光は
濃い影となって目の前に広がる

斜陽 薄れかけた金色の日差しが
閉ざした窓すら輝かせて
長い影が足掛かりを示した

友よ、あと一歩なら進めそうだ
友よ、僕らの街が見える
友よ、もう少しを繰り返して
友よ、手が届きそうなんだ

現実はもっと単純に進む
惑わされず目を開け
影の裏側は 君の求めた光だ
縮こまっている場合じゃない

行け

友よ、貴方が何処にいるのか 今は見えないけれど
友よ、真っ直ぐに立って 君の手を握りたいんだ


自由詩 falling light fall Copyright 黒山羊 2007-11-09 17:41:52
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