焚き火をしよう
たりぽん(大理 奔)

今日は静かな雨
君と焚き火をしよう
やさしいぬくもりでは
凍えてしまう夜だから
黒松の薪なら
煙は雲まで届くだろう
そしたら湿り気の凝集で
雨が雲から
絞り出される

だから焚き火をしよう
美しいもの全て
洗い流すはずだから
綺麗になるものはみんな
そうやって湿って
乾いたりしない
サボテンだってそう
手のひらに棘を刺しながら握れば
雨が絞り出されるのだ

絞りかすをくべよう
やさしくない冷徹な場所に
温もりのためだけに
大切なもの燃やして
手に入れる美しい

焚き火をしよう
今日は雨だから
愛しきれなかったものも
燃やしてしまえば
綺麗で
暖かいから
きっと






自由詩 焚き火をしよう Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-10-15 01:06:09
notebook Home 戻る  過去 未来