ふるえ
亜樹

声というのは
ふるえです
静かな水面に
小石を一つ
落としたような

円く広がる
その道のりで
小さくか細く
なりはしても
どこまでもどこまでも
同心円状に続いていく
とてもタチの悪いふるえです

ですから
君から
遠く離れたこの場所で
密かにつぶやく
一言が
そのうちに君に
届くやもしれないと
思うとひどく
おそろしく
今日も口をつぐむのです


自由詩 ふるえ Copyright 亜樹 2007-09-20 23:58:31
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