エキストラ
優飛

あぁ、そうか
僕は僕だったんですね
気付いてしまいました

つまり僕は今まで
僕を演じていただけで
なんていうのか
僕自身が勝手に
ありもしないドラマを
でっちあげて
存在もしない自分を
作り上げて
独りでアカデミー主演男優
きどって

自分はスター様だなんて
すっかり勘違いしてました

でも解りました
今日、仕事から帰って
靴下を脱いだ瞬間に
僕はただの僕で
ただのエキストラだって
役柄は通行人AもしくはB
何の事はないその他大勢って奴です

鏡に映るその顔を見て
笑ったってのも
きっとそのせいでしょう


まぁ大役もらえるなんて
これっぽちも思ってないですけど

それでも僕は演じ続けるでしょう
ただの僕は通行人Aにも劣る事
実は知ってましたから…





自由詩 エキストラ Copyright 優飛 2007-08-01 07:14:25
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