思春期
美砂

思いがけず強い力で押され
はっとする
そして君は自分にとまどっている
そんなふうに
わたしがよろめくとは
思ってもみなかったのだ

どこからわいてくるのか
その力は
どこへいったのか
あのやわらかな声は
どこへむかうのか
その眼差しは

以前と同じように
君を愛している
君は君だ
だが
君は以前の君とは
ちがう

呼吸がききとれるほど
そばにいても
君のなかにうまれた
君だけのものを
おさえることなど
できない

君を愛している
その新しい力に
おののきながら






自由詩 思春期 Copyright 美砂 2007-07-26 22:59:34
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