月に泣く夜が
川口 掌


深夜の商店街
シャッターは降り
仄白く
外燈の明かりがやっと届く
人気の無い道を歩く

ふと目の前を
カゲロウが漂い
無意識のうちに
払い除ける

刹那
脳裏に浮かぶ詩が一つ


私の母は
今尚 健在だが
命 誕生 死
神秘的なimaginが頭を巡る

自己の意志とは別の所で働く
届くとも知れぬ明日を想い
月の光に照らされる

いつの日も
避ける事の出来ぬ
しかし誰の上にも等しく
降り注ぐ使命を背負い
明日と言う名の道を探し
月を見つめ
咽び泣く



自由詩 月に泣く夜が Copyright 川口 掌 2007-07-24 00:03:15
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