水中花
shu

よるだけど
叫んでみた
きたねーシャツ
洗濯機に突っ込んで
グルグルしたみたいに
かなしくて

中指立てて
ハラ抱えて笑って
調子ハズレの歌うたって
ノドいたくて
いまごろ
つくえのうえの水中花は
咲いてるやろか
なんて
フロントガラスに
問いかけたりして

キミにもらった水中花
小さな息してたのに
沈んだまま
口開けて

羊水のような揺らぎの中
記憶をたどる
抱きしめてもすり抜ける
痛みとぬくもりと匂い
遠い懐かしさが
育てた
葉脈の ほそい
きれぎれの
血のように遡る
ぼくらの つながり

誰も知らない暗い水底 に
きれいな花びら

咲くねん

どうして
いまごろ

だから


あほみたいに
さけんだよ

キミに
しあわせになって
ほしいから

誰にも聴こえない
よるだから

もうすぐカーテンから漏れる
ひかりに
ゆっくりと輪郭を
滲ませながら

キミとボク
の重みが
ひらき

溶けるから









自由詩 水中花 Copyright shu 2007-07-14 03:11:30
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