陽で滲んで
アキラ

どこからかほんのりくちなしの匂い
梅雨に入って水の声

雨が上がったその日の夕方
ゆっくりゆっくり空を見上げた

じんわり西の空が赤くなる
カラスの声が遠ざかる

大切なものは陽で滲んで
上手く見ることができないよ

ふんわり空気に身体をあずけたら
どんどんどんどん流されて
薄雲に溶けて涙した


自由詩 陽で滲んで Copyright アキラ 2007-07-06 00:45:43
notebook Home 戻る  過去 未来