孤独
kei99

あの時

あの瞬間に

なんで僕は

たたずんでいたのだろう





世界は半透明に

まるで水あめのよう

どろっとして

ぬちゃっとして

生暖かく

ゆっくりと

ゆっくりと

変化して





気づいた時

それはもう

世界はオレンジで

卵の黄身は暮れかかり

あの娘は前で

誰かと手を結び

遠くへ行ってしまった







周りは暗くなり

豆腐屋のラッパは遠く

やがて犬が吠えている

影が怖いのだろう

誰かが言った

馬鹿馬鹿しい

僕は呟いた

僕は一人だった





僕がたたずんでた世界は

きっとどっか変だった

だってそうだろう?

吐息が白いのに

僕は暑くてたまらなかった

体はまるで50度位で

心臓は針を振り切ってた

握りしめた拳は

空を切り

やがて

自分を切った





今でもたまに襲い掛かる

僕のこの身を捧げろと

誰かの目が

そう訴えるんだ

僕はまた一人だ

ただただ

たたずむんだ

手に力を込めて


自由詩 孤独 Copyright kei99 2007-06-25 13:08:04
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