悪夢
彌月

夜の闇に雪が舞う
灯りなどないのに
冷たい光を
放ちながら
風に踊り雪が舞う

風音に混じり
高く悲しく泣く声が私の凍えた耳に届くのだ

しばれた体を
引きずるように
声の主を
探せども探せども
見つからず

轍に足をとられ
途方にくれる


助けを呼ぶが
通る人もなく


雪の冷たいぬくもりに抱かれ
睡魔に身を預け
賭のような心もちで夜明けを待つ

闇が一層濃くなった一瞬の後

空が輝き始める


そんな悪夢を

みたのです。



自由詩 悪夢 Copyright 彌月 2007-06-25 09:34:26
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